糖尿病とフットケア
糖尿病足病変
糖尿病足病変とは「神経障害もしくは・または下肢抹消動脈疾患を患った糖尿病患者に生じた、足の感染、海洋、組織の破壊性病変」と言われています。
糖尿の為に世界では20秒に1本の足が切断されているのをご存じでしょうか?
2005年では30秒に1本だったのが、2011年には20秒に1本になっているのです。
糖尿病性足病変の発生成因として「糖尿病性神経障害」と「血流障害」があげられます。
発生頻度は神経性潰瘍が50~60%、虚血性潰瘍(血流障害のみ)が10%、神経・虚血性潰瘍は30~40%と言われています。神経障害を伴っている事がほとんどだとわかりますでしょうか?
糖尿病性神経障害
糖尿病の神経障害は手袋靴下型と言われ、多くが両手足に出ます。
また、上肢より下肢の方が早い段階から障害を受けます。
障害を受ける神経は
1)感覚神経
温度や痛みなどの感覚の異常が起こり、釘やガラスを踏んでも気づかなかったり、温度がわからず低温やけどを起こしたりします。
2)自律神経
胃腸運動の異常・心臓や血圧調整の異常・泌尿器・生殖器の異常・発汗障害などです。
発汗障害が起こることにより、発汗や皮脂の分泌が悪くなり、乾燥肌になります。
乾燥肌になる事で、皮膚のバリア機能低下や皮膚の亀裂などを引き起こし、そこから感染を起こす事があります。
3)運動神経
お尻や太ももの筋力低下や筋萎縮・足の変形・上肢や下肢の痛みや痺れが起こります
です。
末梢動脈障害(血流障害)
末消動脈疾患と言われ、糖尿病だけに限らず、喫煙・脂質異常・高血圧・腎障害など動脈硬化が進行する病気の方にも生じます。糖尿病の方は膝より下に血流障害が出る事が多いですが、高血圧や脂質異常などを合併している事も多く一概には膝から下とは言えません。
この血流障害は足の切断もですが、命の危険が関係してきますので、足の血流障害を認める場合は脳血管や心臓の血管の病気も調べたほうが良いでしょう。
フットケアの必要性
足は心臓より遠く、心臓より下に位置し、足の血流を心臓に戻すには下肢筋力が必要となってきます。
そこに上記の神経障害や血流障害が加わった状態で、糖尿病の方が足先に怪我をしてしまった場合を想像してみて下さい。
怪我をしても気づかず、バリア機能低下で感染しやすく、血流が悪い為治りにくい。そこから壊死が進んでいく方もいらっしゃるのです。
糖尿病の方は定期的に足の診察やケアを受ける事が大切だと言わる理由がわかりましたでしょうか?
たかが、靴ずれ・水虫・タコ・ウオノメ・爪切りではないのです。
そんな健康な方には大したこと無いと思える傷が、糖尿病の方は足を失う原因になるのです。